エンジニアとしての思考整理の指南書

こんにちは、FLINTERS BASE 開発1課の桑野です。

私は業務における報告や連絡の際に、文章が冗長になってしまうという課題を抱えていました。

この改善の為、エンジニアが知っておきたい思考の整理術(開米 瑞浩、インプレス)を読み、どのように自身の考えを整理し、出力する必要があるのかについて学びました。

もし、同様のお悩みをお持ちの方いましたらご参考にしていただけますと幸いです。

 

※ この投稿はFLINTERS BASEブログ祭りの記事です。
※ テーマは #仕事術 #読書メモです。

はじめに

今回は、書籍内の特に勉強になった要約の考え方、構造の理解の仕方について、自身の実践を踏まえて軽くご紹介させていただきます。

要約を作る

よく言われるように、簡潔でわかりやすい文章を作成するには要約や結論から記述する方法が効果的です。この手法では読み手が最初に重要な情報を把握でき、理解しやすくなります。

私もこの方法の重要性は認識していましたが、具体的にどう実践すれば良いかわかりませんでした。

この解消のため、書籍内で紹介されていた要約をカテゴリー(項目名)とサマリー(要点)で整理する方法を実践してみました。文章内で伝達したい内容を分類し、短縮したものがサマリーであり、それらを分類したものがカテゴリーとなります。

サンプル

お疲れ様です。

 

今回依頼者より、タスクAの修正の要望をいただきました。

依頼者要望のロジックが本来の想定としては

・(x-y) * 期間(月単位) - z

ですが、ロジックについてのヒアリングの際、依頼元の回答として以下のような説明があり、実装を行いました。

・(x-y) * 12 -z

ただ、12とあるように期間が固定されていた為、イレギュラーな期間の場合、集計結果が正しくない結果となっていました。

 

このため、集計ロジックの修正対応を行う予定です。

 

これをカテゴリとサマリーに分類すると以下になります。

カテゴリ サマリー
タスク概要 計算ロジック
作業経緯 依頼者に確認し作業
問題点 計算方法の間違い
悪影響 正確な集計不可
対応策 計算ロジック修正

カテゴリを考えることで、問題と悪影響があり、対応として修正が必要なことが明確になりました。

これを元に報告の再構成を行います。

サンプルの再構成

タスクA報告

-- 要約部分 --

問題点:計算方法の間違い

悪影響:正確な集計不可

対応策:計算ロジックの修正にて対応

------------

タスクAでの集計の際に、依頼元よりヒアリングし、(x-y) * 12 -zのような計算で実装を行いました。

ただ12(期間の値)は実際には固定ではなかった為、正確な集計が行えない状況でした。

この為(x-y) * 期間(月単位) - zのような計算に修正を行う予定です。

最初に要約を記載することにより、状況や問題点が一目見てわかるような文章になったと思います。

構造を理解する

要約だけでは、複数の要素どうしの関係である構造を表現することはできないため、別途適切に整理する必要があります。

このため、書籍内で学んだグループパラレルシリーズという観点で構造を理解することを実践しました。

グループ

何らかの観点で同じ種類とみなせるものをひとまとめにした構造をグループと呼びます。グループで名前をつけ分類を行うことで、雑然としたものが秩序だった状態に変化するため、内容を理解しやすくなります。

  • オフィス用品:ペン、ノート、クリップ
  • 電子機器:PC、プリンター、スキャナー
  • 家具:デスク、チェア、キャビネット
パラレル

パラレルとは表形式のことであり、料理の工程やPCのマシンスペックといった同じ項目を並列に並べることを指しています。一般的に行なっていると思われがちですが、普段表を作らないような情報でもパラレルを用いることで多角的な見方をしやすいというメリットがあります。
以下に、味噌汁を作る順番をパラレルで見た例を記載します。

工程 材料 作業 完了条件 時間
出汁を取る 水、出汁 出汁をいれ沸騰させる 沸騰するまで 不明
具材を入れる ねぎ、豆腐 具材を投入する ねぎが柔らかくなるまで 5分
味噌を入れる 味噌 味噌をいれ溶く 味噌が溶けきるまで 5分

パラレルで分類することで、材料が明確になる、作業時間に不明な部分がある、といった箇条書きや文章では見つけにくい情報が見つけやすくなり、また他人にも共有しやすくなります。

シリーズ

要素を順番付けたものをシリーズとして扱います。作業手順や明確な順序のあるものには当然行う分類ですが、一見順序がなさそうな要素も目的を元に順序をつけることで重複している要素や、目的が明確になりました。

 

書籍を通じて学べたこと

これまでは、要約や構造理解が必要な認識は持ちながらも、その実現方法について明確な手段がわからず苦労していました。

報告書を作成する際、情報が多すぎて重要なポイントがぼやけたり、相手に効果的に伝わらないことが頻繁にありました。

本書籍を通じて、どのように思考を整理し、効果的に伝えるかについて具体的な手法を学ぶことができました。

 

最後に

実践を始めたばかりであり、まだまだ至らない部分も多いと思います。

常に意識することで身に付くと思うので、今後も継続して取り組みたいと考えています。

 

今回紹介した他にも、ロジカルシンキングの考え方や、報告、企画提案、教育といった場面別の整理方法など、実務で役に立つ思考整理方法の記載もありますので、気になった方はぜひ一読することをお勧めします。

 

ここまで読んでいただいてありがとうございます。